「バレエ解剖学」カテゴリーアーカイブ

ルルベのこと②

今回はのテーマは「高いルルベを目指そう」

高いルルベを目指すにあたっての4項目
①足指がどのくらい曲げられるかチェック
②ルルベの時に使う筋肉について知ろう
③足裏のどこに重心をのせる?
④高いルルベのためのエクササイズ
まずは土台となる足(※)から。
脚と足は指す場所が違うので、覚えておいてね。
※‘足’はくるぶしから下の部分を指します。

<1:足指がどこまで曲げられるかチェックしてみよう>
①イスに座り、かかとをあげてみましょう。
②このとき、アキレス腱は縮めないようにしてください。
③足指の中足趾関節(MP関節)が90度、もしくはそれ以上の伸展ができていますか?
④MP関節が硬いようでしたら、足指の曲げ伸ばし足首回しを毎日続けてみてください。

<2:ルルベで使われる主な筋肉とはたらき>
下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)・・・足首を屈曲・伸展させる動作
前脛骨筋・・・つま先を持ち上げる(背屈)・足関節を内反・足のアーチを維持
後脛骨筋・・・足関節の底屈・内反
長腓骨筋・・・足関節の底屈・外反
長趾伸筋・・・第二から第五指の背屈・外反
長母趾屈筋・・・母趾を底側方に引く
虫様筋・・・第二~第五趾のMP関節を屈曲・DIP関節、PIP関節を伸展
底側骨間筋・・・第三~第五指を内転

<3:ルルベで体重をのせる3点>
上の図を見てください。
距骨(きょこつ)と踵骨(しょうこつ)という骨の位置を確認してみてください。

上からの体重がダイレクトに伝わり支えている骨が距骨と踵骨です。
そして距骨からつま先に伸びていく骨は
第一指から第三指で1セットになっているのが分かりますか?
体重がダイレクトに伝わるラインで支えるのが
正しいルルベの位置となります。

① 親指(第一指)
② 親指の付け根
③ 人差し指(第二指)と中指(第三指)の間の付け根

<4:高いルルベのためのエクササイズ>
数あるエクササイズのうちの数例です。

1 足指のエクササイズ
① 足指一本づつ強化→セラバンドを足指にひっかけ、伸展、屈曲
② 足指全体をセラバンドにひっかけて伸展、屈曲

2 かかと上げエクササイズ(カーフレイズ)
① ゆっくりとアテールから重心の移動を感じながらルルベの3点でキープ。
② ゆっくりおろす。

3 前脛骨筋(すねの外側)のエクササイズ
① 座位になります。
② セラバンドを輪っかにし、家具もしくは自分の足にひっかけます。
③ もう片方の足を持ち上げ、腕で支えます。
④ セラバンドを足指にひっかけて、ゆっくりフレックス~戻すを繰り返す

4 足関節強化
ルルベ、ポアント、フレックスをするときに使う筋肉の強化
① バランスディスク、バランスボードを用意

② ディスクorボードの上に片足立ち
③ ディスクorボードのエッジが床を触れながらゆっくりと時計回し反時計回し。

④ ディスクの上に両足で立つ。
⑤ 拇指球が中央になるようにして片足立ちになる。
⑥ 片足立ちからゆっくりルルベ。キープ
⑦ ゆっくりおろす。

参考になりそうな動画。
慣れてきたら腕はアンオーかアンナバン、もしくは手は腰に。

これらのエクササイズは
ルルベが高くなるだけではなく、
つま先が伸びる、甲がでやすくなることにもつながります。
まずは足指の曲げ伸ばし、足首回しで
関節をゆるめることからはじめましょう。

ルルベのこと①

今日のテーマは
「ルルベ」

もっと高いルルベができるようになりたい。
そう思っている大人バレエの方でも
遅すぎるということはありません。

高いルルベを目指す前に、
ちょっと視点を変えて考えてみましょう。

「なぜ高いルルベが良いのか」
考えたことありますか?
見た目が美しいから
それだけではないのです。

「骨格の構造上、
高いルルベにしたほうが
少ないエネルギーで立てるから」

では、実際にためしてみましょう。

実験Ⅰ

①低いルルベをしてみましょう。

②1番ポジション、
もしくは
6番ポジション(パラレル)のアテール。
そこから両足のかかとを床から2cm引き上げます。

③ バランスをとってみましょう。

④ どこに力が入っているか、感じてみよう。

どうですか
バランスはとれましたか?
足首が固定されず、
グラグラしませんでしたか?
低いルルベというのは、
足裏、足首、アキレス腱、ふくらはぎ、すねの筋肉が
総動員で使われているのが分かりましたか?

低いルルベは
足裏・足首やふくらはぎの筋肉を鍛えるのには良いのですが、
踊るには体力の消耗が激しするのです。

対して高いルルベというのは、
‘積み木をまっすぐ積み重ねることと同じで、周りの支えがなくても安定する’状態のことを指します。

足の構造力学上
‘立ちきる’ことが
最小限の筋力で済むし、
なにより安定するからなのです。
これがバレエにおいて‘高いルルベ’を指導する目的です。

高いルルベができた!と
安心・油断してしまうと、
すかさず先生に「引き上げ!!」と喝が入るので
股関節に上体が乗っかっているだけにならないように気をつけましょうね。

次回は「立ちきる高いルルベを目指す」。

股関節のクリック音

今日のテーマは

『股関節のクリック音』

グランバットマン、

ルティレ(パッセ)、

デヴェロッペ、

イタリアンフェッテなどの動作の時、

コキンッ!と股関節が鳴った経験はありませんか?

ダンサーの半分は‘股関節が鳴る’のを経験し、

さらにその1/3は痛みが伴うという調査結果が出ています。

最初のうちは音や引っかかり感があるだけで

痛みは無いことが多いのですが、

繰り返し骨と腱がこすれ、

何度も引っかかっている腱の一部が

炎症を起こすと痛みが出るというしくみ。

 

<股関節が鳴るおもな原因>

1・運動不足による筋力の低下
2・激しいスポーツ
3・股関節の歪み
4・先天性の股関節の脱臼

<音が鳴る場所>

股関節の外側

腸脛靱帯 (図:)が

大転子(大腿骨外側)に引っかかる音。

お尻が大きい人に多い

そ径部(足の付け根)

腸腰筋(図:)の腱が大腿骨骨頭上に引っかかる音。

股関節の内部(図:

激しいスポーツで股関節を使いすぎて

軟骨が磨り減ってしまう。

変形性股関節症の人に多く

股関節の内部でガリガリという音。

<治療&セルフケア>

1 炎症して痛みがあるようならばアイシングをし、なるべく安静にします。

必要であれば専門医で受診をおすすめします。

2 炎症がおきていなければ、

ストレッチで股関節まわりの筋肉・靭帯・腱をほどよく伸ばします。

3 テクニックの見直しをしてみましょう。

・じゅうぶん引き上げができていますか?

・ターンアウトはできていますか?

 

股関節が鳴るのはなぜか?と紐解いていくと、

・骨盤のゆがみ
・偏平足
・反張膝
・がに股
・内股
・重心の位置の偏り
他の症状も併発していることが多々あります。

整体グランジュテでは、ゆがみの原因を明確にし、
正しい位置に矯正・調整します。

 

※※※
股関節のクリック音のテーマとは少しズレるのですが、
バレエダンサーや新体操選手に多い股関節痛の症例に
股関節唇損傷があります。(図:

股関節臼蓋側の屋根の浅さを補うのが、関節唇の役割
股関節唇がひとたび損傷を受けると、脚を動かすような動作に痛みが走ったり、引っ掛かり感を訴えることがあります。 日常的にはあぐらをかくような股関節を外側に開く運動(=外旋)、あるいは、内側へ倒すような運動(=内旋)時に痛みや違和感が生じることがあります。 靴下を履く、爪を切るなどの股関節を深く曲げるような動作で異常感覚を訴えれば、股関節唇損傷が疑われます。